ごあいさつ

高齢者一人一人に寄り添った対策を

わが国の総人口は2004年をピークに減少に転じました。このままでは、今後100年で明治時代の後半の水準に戻ると推計されています。また、多世代の世帯が減少し、高齢者の単独世帯が増加しています。
　

1990年の「1.57ショック」から少子化対策が叫ばれてすでに30年以上が経過しました。2020年の少子化社会対策大綱、新子育て安心プランなどの施策は実質的な成果を上げていません。社会全体の将来への明るい展望がなければ、今後も少子化を止めることはできないのではないでしょうか。

岸田首相の「異次元の少子化対策」には大いに期待していますが、これまでの施策の金額の上乗せだけでなく、若者への住宅を手頃な家賃で提供する、新たな職業への丁寧なスキルアップなどの政策や看護、介護、保育などの職業への給与の支援など、大きな視点で政策を展開する必要があります。そして、世田谷区にふさわしい施策を進めてまいります。

高齢者の方への居場所の調査によりますと、女性、男性とも第１位は図書館となっています。女性はスポーツクラブ、習い事、友人宅など様々な居場所がありますが、男性の場合は公園との結果が出ています。また「居場所はない」という答えも多数となっています。

区内には多くの町会や高齢者クラブの活動がありますが、それらの活動を高齢者の皆さまに広げることができれば、健康作りや認知症の予防にもつなげることができると思います。世田谷区と区内の活動団体の皆さまと連携を深め、老後を心豊かに過ごせるよう、皆さまとともに取り組んでまいります。また、成年後見制度を適切に運用し、将来への不安の解消にも努めます。

皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。

令和5年2月　世田谷区議会議員
下山　芳男